教授挨拶

2024年4月より、群馬大学医学部附属病院脳神経外科の第6代教授を拝命いたしました大宅宗一です。
脳神経外科を代表しご挨拶申し上げるとともに、当科をご紹介申し上げたいと思います。
脳神経外科疾患には、くも膜下出血や脳梗塞などの脳血管の病気、脳や脊髄にできる悪性あるいは良性の腫瘍、脊椎脊髄の病気、てんかんやパーキンソン病などの脳機能疾患、など実に多様な病気が含まれます。
群馬大学脳神経外科は、日本の脳神経外科の中でも長い歴史を誇り、世界で注目されるような治療成績と研究成果を上げてまいりました。また同時に群馬県を中心とした地域に根ざした優れた医療サービスも整備してまいりました。群馬大学脳神経外科での修練を経て確かな技術と高い使命感を持った医師が、現在群馬・長野・埼玉県の広い範囲で活躍しています。

これらの連携施設では、少しでも早い治療が望ましい脳卒中や頭部外傷などの救急医療を行ったり、あるいはふだんの血圧や生活習慣を指導したりして、地域に大きく貢献しています。そして群馬大学は、高い専門性を活かして手術の難しい症例や放射線化学療法など手術以外の治療の併用が必要な症例をお引き受けしています。こうした地域と中央の協力体制が非常によく機能しています。

脳という臓器は人間としての根幹に関わるため、脳神経外科疾患は患者さんとご家族の人生を大きく左右します。
実は脳神経外科は外科の中でも非常に若い分野であり、人間が脳組織を安全に手術できるようになってからまだ数十年しかたっておりません。しかし治療の進歩は実にめざましく、例えば脳梗塞や悪性脳腫瘍では20年前は想像もできなかったほど患者さんが助かるようになりました。
われわれは外科治療のプロとして日々新しい知識の習得と技術の研鑽に努め、病に苦しむ患者さんの力になることを目標としています。

われわれには3つの責務があります。目の前で病に苦しむ患者さんを救うこと、今は残念ながら治すことができないかもしれないが将来を見据え新規の治療法を探究すること、そしてこれからの医療を担う優れた脳神経外科医を輩出すること、です。
群馬大学脳神経外科は、「いま」と「未来」を見つめながらこの3つの責務を果たしてまいります。

群馬大学脳神経外科教授  大宅宗一

 
 
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